一般送配電事業者から自家発解列用の UFR の整定値の変更を申し込まれました 。 受入れるかどうか、どのような検討をすれば良いでしょうか? 例えば、自家発解列用UFRを-5%(北海道は-6%)、2秒に整定する場合、どのような問題があるのでしょうか?
Kameda Kazuyuki Answered question
この要求(UFR を-5%、北海道は-6%、2秒に整定する)を受け入れるかどうかについては、質疑応答 2023-0259「系統連携UFR整定に拘わる産業有志連合の取り組み」で説明しているように、一般送配電事業者 [1] と産業界の各事業所が協議出来ることが明確になりました。 この要求に対する具体的な問題や課題は、事業所(工場)ごとに違いますので、以下に一般論として回答します。 最大の懸念事項は、自家用発電設備が正常に自立運転への移行ができない可能性です。 工場にとっては系統(買電)解列後、自家発がトリップすると全停電となる恐れがあります(UPSや直流電源設備は除く)。 自家発がトリップした場合の問題点を整理すると下記のようになります。
- 全停電に伴う操業リスク : ➀ 操業再開までの時間(操業損失額)、② 防消火設備に対し発電系/買電系の保安電源機能の喪失による遵法違反、③ インバータなど負荷機器であって周波数低下に脆弱な機器の影響
- 受電系統トラブル(電力会社による負荷遮断など): ① 解列点の解列ではないため、タービンや発電機の制御モードが切り替わらない、② UFR 以外に検出可能な保護リレーや転送遮断の有無
- タービン側との協調 : ①標準整定値による解列前に自家発がトリップしないか? ② 更に2sec の間、どこまで周波数が低下するか想定が困難、 ③ 特にガスタービンは、空気圧縮機のサージング保護を目的に瞬時トリップ機器が多い。
- タービン制御モードとボイラ系への影響 : 系統連系中も周波数変動の影響を受けやすいガバナフリーモードの機器の有無、例えば、① 周波数低に伴い調定率に従い発電出力増となり過負荷運転リスク、② ボイラ制御や燃料制御が追従可能か、③ その際の蒸気系の変動は許容範囲内か、など
関連する質疑応答 : [1] 質疑応答2023-0260「電気事業法と関連事業および関連団体」参照
(産業用電気設備関係の方からの回答です)
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