質疑応答 2024-0313〔BESS(Battery Energy Storage System)に関する国際規格と国内規格〕で、BESS に関する国際規格と国内規格路について説明して頂きましたが、JIS C 4441:2021 が制定された経緯と、JIS C 4441:2021 が世界的な評価を受ける理由について教えて下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
質疑応答 2024-0313 で説明したように、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が中心となって、日本が〔電気エネルギー貯蔵システム〕に関する規格の企画原案を策定し、日本の提案による規格開発プロジェクトを開始した結果、この規格がIEC規格として承認され、国際電気標準会議(IEC)の国際規格 IEC 62933-5-2 : 2020 として発行されました。 この規格は、電力システムに接続されるバッテリー・エネルギー貯蔵システム貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage System)の安全性に関する規格で、全ライフサイクル(設計から運用期間終了時の管理まで)に適用可能です。
その後、NITE は国内対応規格となる日本産業規格(JIS)原案作成を推進し、2021年3月22日に JIS C 4441 : 2021 として発行されました。 これにより、同システムの普及環境の整備が一層進むことが期待されています。
JIS C 4441 : 2021 が世界的な評価を受ける理由として、以下のような要素が挙げられます。
- 世界初の規格 : この規格は、日本が主導した世界初のバッテリー・エネルギー貯蔵システム(BESS)の安全性に関する国際規格です。 これにより、他の国々もこの規格を参照し、自国の安全基準や規格を設ける際の基準として使用されている。
- 全ライフサイクルに適用可能 : この規格は、設計から運用期間終了時の管理までの全ライフサイクルに適用することが可能です。 これにより、BESS の安全性を確保するための包括的なガイドラインを提供している。
- 具体的な安全対策と確認方法 : この規格では、人命に関わる火災・爆発・有毒ガス滞留への対策として、蓄電池ユニットからの出火・延焼を防ぐための対策やその対策を確認するための耐類焼性試験等、システム全体として必要な安全対策及び確認方法が規定されている。
- 信頼性と安全性の向上 : この規格の採用により、より信頼性や安全性が高い蓄電池システムの開発・普及が進むことが期待されている。 これは、再生可能エネルギーの利用拡大に向けて、非常に重要な要素となっています。
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)
Kameda Kazuyuki Edited answer