金属材料は一部の貴金属(金や白金等)を除き、自然界にそのままの状態で存在するものではなく、多くは酸化物や硫化物の形で存在する鉱石から得られるものです。
鉄の場合は,鉄鉱石を原料として精錬することで製造されます。化学的には,鉱石中から酸素を取り除き金属を分離させるため,かなり大きなエネルギーを必要とします.そのエネルギーの一部は、鉄鋼材料自体の中に蓄えられるため、一般に鉄鋼材料はエネルギーが高い状態で存在しています。
自然界の変化は、エネルギーの高い状態から低い状態へ移行するため、鉄鋼材料は内蔵エネルギーを放出しつつ元の鉄鉱石すなわち “サビ” へと変化する宿命を背負っています。これが金属の腐食であり、下図はエネルギー関係を模式的に示したものです。
バネを想像して下さい。バネの自然の状態が鉄鉱石、バネを伸ばしてエネルギーが高い状態が鉄、その状態を保つことが困難であるためバネが自然の状態に戻るのがサビ(鉄鉱石)となります。
(株式会社ナカボーテック 久野記)
Kameda Kazuyuki Edited answer