近年、大規模の再生可能エネルギー発電所において、ケーブルと電力変換装置による、高調波共振現象によるトラブルを耳にしますが、どのような現象のことでしょうか?
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下図のような系統において、ケーブルの静電容量と高調波発生源(電力変換装置)による高調波共振が生じて、電圧歪の増大、系統への高調波流出電流の増大などにより運転を継続できなくなるというトラブル事例が報告されています。
大規模な再生可能エネルギー発電所の新設、大容量の電力変換装置を増設・更新をするような場合は、計画段階において、電力潮流計算、短絡電流計算、過渡安定度計算等に加え、高調波解析を行い「高調波共振の有無」について検討することが大切です。 場合によっては、高調波共振を解消するために、配置計画の見直し(ケーブル長を短くする)、コンデンサや高調波フィルタの設置などの検討を行い有効で経済的な対策の立案が必要です。
通常、このような解析は EMTP や PSCAD などの瞬時値解析ソフトウェアを用いて検討されています。 汎用ソフトウェアである etap を用いた解析でも、解析結果と測定結果が良く一致するという結果が得られてます。(etap については株式会社エルテクス設計にお問合せ下さい)
このような現象についての検討事例として、下記のような論文がありますので、ご参考にして下さい。
- 22kV CVケーブルの静電容量が高調波解析結果に与える影響について – 大規模風力発電所での試算例 – (2019年電気設備学会全国大会)
- 産業プラントにおける高調波共振現象による変換器運転支障の一事例とその対策 (平成25年電気学会産業応用部門大会)
- 風力・太陽光発電所へのSVC導入時の高調波共振検討 (平成25年電気学会全国大会)
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