内線工事電圧降下についてご教示お願いします。空調動力(電動機コンプレッサー)幹線ケーブルや電線の電圧降下を計算する場合、電流値は、定格電流、規約電流、最大運転電流どれを使いますか。人によって考え方は違うと思いますが、私は稼働率が低い重要負荷でない場合は定格電流、稼働率が高い重要負荷の場合ほ最大電流と工事費用等を考慮し臨機応変に計算しています。一般的にはどれが正解なのでしょうか。
設計の考え方の一例として回答いたします。電圧降下計算の目的により異なりますが、ケーブルサイズを選定する場合についての回答となります。
(1) 空調機単体ユニットの電源配線設計の場合
① 定格電流(規約電流)による電圧降下計算
② 最大運転電流(始動電流と定義しました)による電圧降下計算
上記 ①② の電圧降下(%)がそれぞれ設計値以下(許容値以下)となるようにケーブルサイズを選定する。
(2) 空調機が複数台ある幹線配線設計の場合
定格電流(規約電流)を基に、需要率、負荷率、不等率等を加味して、幹線配線に流れる電流を推定し、電圧降下計算し電圧降下(%)が設計値以下(許容値以下)となるようにケーブルサイズを選定する。ただし、複数台運転中に追加して空調機が始動する場合は、その始動電流も考慮する必要があります。さらに、複数台が同時始動される場合はその始動電流の合計電流にて設計する必要があります。
追記:
工場配電設備用のケーブルサイズを選定する場合は、下記のようなことを考慮して選定します。
(1) ケーブルの連続許容電流
① 電動機や負荷の定格電流を連続して流せるか。
② 系統の電圧降下があった場合も大丈夫か。
(2) ケーブルの短時間許容電流
① 電動機や負荷の始動電流を電動機が始動完了するまで連続して流せるか。
② 電動機や負荷の保護装置(配線用遮断器など)の下流側で短絡事故があった場合、保護装置が動作するまでの時間短絡電流が流れても、ケーブルがダメージを受けることはないか。
(3) ケーブルによる電圧降下
① 電動機や負荷の定格電流による電圧降下が、許容値以内 (例えば5%以内) に収まっているか。
② 電動機や負荷の始動電流による電圧降下が、許容値以内 (例えば15%以内) に収まっているか。
上記の ①② は、系統の電圧降下があった場合も大丈夫か。
(旭化成エンジニアリングの西さんからの回答です)