電力会社から会社敷地近傍に送電線網を敷設する計画があり、「送電網の点検や事故時に会社設備 (通信線) に誘導電流が発生する、また、作業員が対象ケーブルや機器等に接触すると感電の恐れがあるので対策して欲しい」 と言われましたが、具体的にどういう機器をどの程度設置したら良いでしょうか?
会社敷地の近傍に、「これから電力会社が送電線網(送電線)を敷設する計画があるがどのような対応策をとれば良いか?」という質問と解釈して回答します。
先ず、某社の例についてご紹介します。 この会社では、66㎸送電線の鉄塔が敷地内にあり、66kVケーブルルートが敷地内に埋設されていますが、「この会社としては特に対策はしておらず、電力会社が ① 鉄塔に注意喚起表示、昇降防止対策をしている (市内と同じ)、② 埋設ルートには、恐らく掘削防止のケーブル埋設有のテープ等が一緒に埋設されている」 というような対策を講じているとのことです。
送電線などの架空電線路は、道路上や建造物に接近して施設されるので、電気設備に関する技術基準を定める省令 などに、① 通信障害の防止 (第42条、解釈第51、52条)、② 支持物に関する規制 (種類、強度、風圧荷重、基礎の強度、径間、補強など)、③ 電線に関する規制(種類、強度、地表上の高さなど)、④ 他物との接近交差に関する規制(保安工事、離隔距離など)、⑤ 特別高圧架空電線路の市街地等における施設の禁止(省令第40条、解釈第88条)、⑥ 特別高圧架空電線路の供給支障の防止(第48条、解釈第88条)などが規定されています。
これらの規程は送電線などの架空電線路を施設する側に対する要求事項と言えます。 御社の場合も、電力会社と良く相談して必要な対応策を検討することをお奨めします。
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)