避雷器の取付位置について、① 高圧キュービクル、② 構内第1柱(避雷器内蔵型PASのケースを含む)、③ 高圧キュービクルと構内第1柱、の3パターンの使い分けについて解説をお願いします。
Fukuda Koichi Answered question
高圧避雷器の適用については、質疑応答 2023-00269「高圧用避雷器の適用」をご参照下さい。 今回のご質問「避雷器の取付位置について、① 高圧キュービクル、② 構内第1柱 (避雷器内蔵型PASのケースを含む)、③ 高圧キュービクルと構内第1柱」の3パターンの使い分け」については、質疑応答 2021-0155「(雷保護) 避雷器の設置方法と適用事例」をご参照下さい。 要約すると、下記のようになります。
- 避雷器は、高圧配電系統に侵入する雷サージから高圧設備を保護します。 一般需要家においては、構内第1号柱設備の PAS(高圧柱上気中負荷開閉器)と同柱に避雷器を設置し PAS を保護します。
- 高電圧受電設備内(高圧キュービクル)には、屋内用避雷器を設置します。 JIS C 4620「キュービクル式高圧受電設備」には、避雷器専用の断路器を設けることが規定されていて、断路器機能を有するキュービクル用避雷器が用いられることが多いです。
- 電気設備技術基準の解釈第37条では、容量500 kW以上の受電設備の引込口に避雷器の設置が規定されていますが、容量500 kW未満の場合でも、雷サージはその容量に関係なく侵入するので、架空線路から供給を受ける需要家の引込口、あるいは、これに近接する箇所に避雷器を設置することが望ましいです。
- 構内配電線を有する場合は100~500mの間隔内で避雷器を設置します。 さらに主遮断器、変圧器等の重要設備(キュービクルや受電設備室)にも避雷器を設置することで、屋内の低圧系に到達するまでの雷サージ過電圧・過電流を段階的に低減する保護方法があります。
より詳しく知りたい場合は、「SPD・避雷器と耐雷トランスを用いた雷保護」オーム社(2015−6)をご参照することをお奨めします。 また、実務上の具体定な案件の場合でしたら、専門メーカーにお問合せすることをお奨めします。
関連する質疑応答:
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)
Kameda Kazuyuki Edited answer