最近の産業用ドライブ装置について、その種類、それぞれの特長、それぞれの高調波発生量等について教えて下さい。半導体の進歩と産業用ドライブ装置の変遷についても教えて下さい。
最近の産業用ドライブ装置は、低圧インバータも高圧インバータもIGBT、IGCT、IEGTなどの半導体電力素子を使用した電圧形PWMインバータが多く使われています。電圧形PWMインバータは、商用電源の交流をコンバータ(順変換器)で一旦直流に整流し、これを再び交流にインバータで変換することで電動機を駆動します。
このコンバータの種類は、用途により異なります。汎用インバータではダイオードコンバータが使われています。エネルギーの電源回生が必要なインバータとともに使われるコンバータとして従来はサイリスタコンバータが使われていましたが、最近は高調波が少なく力率の良い PWM コンバータの利用が増えています。
コンバータの種類と回路構成については、先の「質問番号2020-0043」に関する「回答」も併せてご参照下さい。
産業用電力変換器は1970年代からサイリスタが多く使われてきました。1990年半ばにIGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor) が開発されてからは、IGBT PWM インバータが使われ始め現在に至っています。高圧インバータはIGCT や IEGT などの高圧スイッチング素子を使った3レベルインバータや、IGBT インバータを直列に組み合わせたMVインバータが使われています。
汎用インバータの高調波抑制対策と高調波ガイドラインの検討ステップに関しては、JEMA の “汎用インバータの高調波抑制対策” (URL: https://www.jema-net.or.jp/jema/data/inverter2015.pdf) に分かり易く解説されています。
(電機メーカーの方からの回答です)