引き続き、「電力システムの応動特性とAVR(Automatic Voltage Regulator)その3」についての説明をお願いします。
ETAP News の「長谷コラム」の中に、「電力システムの応動特性とAVR その3」があります。 下記のURLをクリックして、ご覧になって下さい。
https://www.eltechs.co.jp/EltechsNews38_j.shtml
電力システムの応動特性とAVR(その1)および(その2)などで発電機の運動方程式についていろいろ解説しました。 この章では、下記の項目についての説明です。
38.1 発電機の運動方程式(最も大切な運動方程式について式番をあらためて再記します)
38.2 発電機の運動方程式(発電機の体格と定格出力がどのような関係にあるかについて考えてみましょう)
38.3 発電機の回転速度調整:スピードガバナ
(本文の最後より) 系統の負荷量は時間帯により大きく変化するだけでなく、常時も気まぐれに変動しています。 これに対して複数発電機の合計出力を追従制御させることによって系統の周波数を一定範囲内(例えば50/60Hz±0.05Hz)に維持する必要があります。 図38.3 は負荷変動の概念図です。 ある系統で実負荷が図中の“トータルの実負荷変動”のように時間変化するとして、概念的に図の S (持続変動負荷Sustained change)、 F (脈動変動負荷Fringe change)、 C (サイクリック負荷Cyclic change) 成分に分解することができます。 図のサイクリック成分 C の様な小刻みな変動は主として即応性の優れた火力機のガバナー制御によって追従させ、またそれよりゆっくりのフリンジ成分 F は水力のガバナーが受け持つことが良いとされます。 ただしその他の要因(たとえば“ガバナー追従制御可能な発電機の不足”“高効率新鋭火力はフル出力一定運転 が必要”等の理由)で柔軟な運用が求められます。 サステンド成分 S は電力会社の中央給電指令室からのAFC制御 (Automatic frequency control) やALD発電制御(Automatic load dispatching control) で対応されることになります。(図38.3については本文をご参照下さい)