質疑応答 2023-0235 (現場とトラブル) 多重接地による地絡保護の不要動作 で質問のあったトラブル事例の単線系統図において、1線地絡事故が生じた場合の零相電流の流れ(向き)と位相角について検証することは可能でしょうか? このトラブル事例の検証方法と対処方法について教えて下さい。
(産業用電気設備関係の方からの質問です)
Kameda Kazuyuki Changed status to publish
トラブル事例の単線系統図(図1)を 図2 のように電力系統解析ソフトウェア etap に入力し、下記の4つケースについて計算し、1線地絡事故時の零相電流の流れ(向き)と位相角について検討し、① EVTによる多重接地の影響、② ケーブルのキャパシタンスによる充電電流の影響について検証してみました。
- Case 1A : 3つの母線でEVT接地をし、ケーブルの大地静電容量による充電電流を「考慮」した場合
- Case 1B : 3つの母線でEVT接地をし、ケーブルの大地静電容量による充電電流を「無視」した場合
- Case 2A : 1つの母線でEVT接地をし、ケーブルの大地静電容量による充電電流を「考慮」した場合
- Case 2B : 1つの母線でEVT接地をし、ケーブルの大地静電容量による充電電流を「無視」した場合
検討の内容と結果を「添付資料 : 1線地絡事故時の零相電流の流れ(向き)と位相角」 https://www.elec-consulting.com/wp-content/uploads/2023/07/1線地絡事故時の零相電流の流れ(向き)と位相角-1.pdf に、『第1章 : 系統のモデリング(1.1 単線系統図、1.2 入力データ、 1.3 EVTのモデリングと検証)、第2章:ケーススタディと計算の結果、第3章:etap計算結果の検証、第4章:この例題の系統(図1)の評価』として纏めましたのでご参照下さい。
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)