受電用変圧器の課電開始時に発生する励磁突入電流現象による様々な障害を抑制するための設備として、どのような設備があるのでしょうか? それぞれの設備について、励磁突入電流抑制のメカニズム、特長、欠点、設備の大きさ、費用などの比較についても説明して下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
受電用変圧器の課電時に発生する励磁突入電流現象による様々な障害を解消するための設備として、代表して4つの方式を紹介します。
1. 抵抗投入方式 (図1参照)
投入抵抗用の遮断器を先行投入することで、励磁突入電流を抑制し、その後に主遮断器を投入する方式。
2. 発電機による変圧器低圧側からの励磁方式 (図2参照)
系統に変圧器を接続する前に、変圧器低圧側から発電機で低電圧を印加し、電圧確立後に系統電源側と同期をとり、主遮断器を投入する方式。
3. 特殊仕様変圧器 (図3参照)
通常設計時よりも変圧器の巻数や鉄心の断面積を大きくすることによって、励磁突入電流の大きさを緩和させる(抑える)方式。
4. 投入位相角制御方式 (図4参照)
変圧器解列時の変圧器電圧より残留磁束を求め、次に変圧器を課電する際に、この残留磁束と系統側電圧の位相関係が一致するタイミングで遮断器を投入し、変圧器の課電を行う方式。
これらの方式の励磁突入電流の抑制効果、設備面、保守性、費用についての比較を 表1 にまとめた。
(株式会社興電舎の方からの回答です)
Kameda Kazuyuki Edited answer