質疑応答 2024-0288 〔送電線に落ちた雷サージ電圧の影響〕 のように、送電線に落雷して、雷撃による異常電圧(雷サージ)が送電線に入り、伝搬して変圧器(66kV/11kV)に入射すると変圧器がダメージを受ける恐れがあります。 この66kV変電所の受電点に設置する避雷器(SPD)について、① 66kV変電所の受電点になぜ避雷器が必要か(避雷器の目的) ② 66kV変電所の受電点に設置する避雷器のタイプ ③ 66kV変電所の受電点に設置する避雷器の特性、などについて教えて下さい。
送電線への落雷は、雷雲と大地間の放電であり、雷雲底と大地間の電圧は非常に高いため、送電線や変圧器などの電気設備は、このような雷異常電圧から保護しなければなりません。 送電線では架空地線を用いて遮へいし、直接雷撃を受ける割合を減少させる対策をとっています。 また、送電線に侵入し伝播する異常電圧の波高値は碍子連の耐電圧(フラッシオーバ電圧)によってその大きさが決まります。
したがって、変圧器の雷サージ電圧保護のために、避雷器の設置が重要です。 電気設備技術基準の第49条〔高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設〕および 解釈 第37条〔避雷器等の施設〕などの要求に基づき、① 発電所または変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口および引出口、② 架空電線路に接続する配電用変圧器であって、過電流遮断器の設置等の保安上の保護対策が施されているものの高圧側及び特別高圧側、③ 高圧mたは特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口、などに適切に接地することが必要です。 なお、高圧および特別高圧の電路に施設する避雷器は、A種接地工事を施すことが必要です。
Web Site に、66/77kV用のプラグイン形避雷器の資料がありますので、避雷器の構造、定格、開閉サージ放電耐量などについて、下記の Web Site をご参考にして下さい。 この避雷器の場合、〔避雷器の定格電圧:84/98kV、送電線の系統電圧:66/77kV、公称放電電流:10kA、適用規格 JEC-2373-1998〕 となっています。
https://www.swcc.co.jp/news/pdf/060309press.pdf :66/77kV用のプラグイン形避雷器(昭和電線電纜株式会社)
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)