避雷器を設置するにあたり、その設置場所、設置方法、接地線の取り扱い、適用事例、保守・管理方法など、検討すべき事項および注意すべき点についての概要を教えて下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
避雷器は,高圧配電系統に侵入する雷サージから高圧設備を保護します。
一般需要家においては,構内第1号柱設備の PAS(高圧柱上気中負荷開閉器)と同柱に避雷器を設置し PAS を保護します(図1)。
高電圧受電設備内(高圧キュービクル)には,屋内用避雷器を設置します(図2)。JIS C 4620「キュービクル式高圧受電設備」には,避雷器専用の断路器を設けることが規定されていて,断路器機能を有するキュービクル用避雷器が用いられることが多いです。
電気設備技術基準の解釈第37条では,容量500 kW以上の受電設備の引込口に避雷器の設置が規定されていますが,容量500 kW未満の場合でも,雷サージはその容量に関係なく侵入するので,架空線路から供給を受ける需要家の引込口,あるいは,これに近接する箇所に避雷器を設置することが望ましいです。
構内配電線を有する場合は100~500mの間隔内で避雷器を設置します。さらに主遮断器,変圧器等の重要設備(キュービクルや受電設備室)にも避雷器を設置することで,屋内の低圧系に到達するまでの雷サージ過電圧・過電流を段階的に低減する保護方法があります。
詳細は「SPD・避雷器と耐雷トランスを用いた雷保護」オーム社(2015−6)に記載されているのでご参照下さい。
(中部大学 教授 山本和男 記)
Kameda Kazuyuki Edited answer