66kVから高圧へ降圧する高圧盤に放圧装置(避雷器)が設置されています。高圧盤の遮断器は VCB で、SA(サージアブソーバ)が設置されています。これらの避雷器、SA の目的とその選定基準、および予知保全方法について教えて下さい。
まず、ご質問の中に記載の「放圧装置(避雷器)およびSA(サージアブソーバ)」[2] は、66kV 系統や 6.6kV 系統に設置されている「避雷器」と解釈して回答します。
避雷器の目的は、質問番号2022-0181で説明したように、雷または回路(遮断器)の開閉などに起因する雷サージや開閉サージなど、過電圧の波高値がある値を超えた場合、放電により過電圧を制限し、電気機器の絶縁を保護することにあります。
ご質問の避雷器もその目的で 66kV 側と 6.6kV 側に設置をされているものと考えられます。66kV 系統に(気中か GIS かわかりませんが)、66kV 用(定格電圧 84kV)の避雷器、また降圧した6.6kV 側に、6.6kV 用(定格電圧 8.4kV)の避雷器が設置されているものと思います。
質問番号2022-0181で説明したように、6.6kV 系統には一般的には公称放電電流 2.5kA [4] の選定が多いですが、発変電所などでは 10kA の選定が通常になります。(参考:JEC-203 (1978) 「避雷器適用の手引き」など)[1] 。 一方の 66kV 系統では公称放電電流 10kA のもののみとなり、開閉サージ放電耐量クラスは系統の線路こう長などの要素を考慮して選定されます。(参考:JEC-2374 (2015) 「避雷器適用の手引き」[1] など)。
予知保全方法については、① サージカウンタによる避雷器の放電回数の計数や、② ギャップレスアレスタ であれば漏れ電流の継続した計測により、その傾向を確認することが多くの現場で実施されています。
(電機メーカーの方からの回答です)
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補足説明:
記号 [1] [2] [4] を付した事項の補足説明については、質問番号2022-0181 の補足説明をご参照下さい。事務局の亀田が、普段知りたいと思っていることを整理してみました。説明不足や追加・修正が必要な記述がありましたらお知らせ下さい。