66kV常時2回線受電系統で、母線切換え(受電系統の断路器切換え)時に母線連絡(母連)遮断器の地絡過電流継電器51Gが動作し、母連遮断器がトリップした。断路器解放時の不揃いにより、三相不平衡が発生し 51G が動作(誤動作)したものと思われますが、このようなトラブル事例がありましたら、事故の状況、原因および対策についてご教示下さい。
図1-23 に示す系統で、2L系統の断路器 DS-201 および DS-202 を操作して母線切換を行った時に、母線連絡 (母連) 遮断器 CB-010 の地絡過電流継電器 51G が動作し、母連遮断器 CB-010 がトリップしたという経験があります。 この時、母線切換は下記のような手順で行いました。
< 初期状態 >
受電用遮断器 CB-01, CB-02 :Close
受電用断路器 DS-102, DS-201 : Close
受電用断路器 DS-101, DS-202 : Open
母線連絡(母連)遮断器 CB-010 : Close
< 母線切換え操作 >
操作 (1) : 受電用断路器 DS-202、Open => Close(切換え)
操作 (2) : 受電用断路器 DS-201、Close => Open(切換え)
調査の結果、トラブルの原因は、「断路器DS-201不揃い開放」により母連の負荷電流が三相不平衡になり 51G が動作(誤動作)したものと判明した [1]。この対応策として、➀ 負荷を先に母線 Bus-1 から母線 Bus-2 側に切り替えておいてから、② 電源系統を切換える(受電用断路器 DS-202 Close、DS-201 Open)ように、操作手順を変更しました。
補足 [1] : 断路器の不揃い開放(あるいは投入)による三相不平衡電流の計算は、EMTPのような瞬時値系統解析ツールを用いて、あらかじめ計算して保護協調等について検討しておくことをお勧めします。