質疑応答2022-0211で、機器劣化、施工および点検不良によるトラブル事例、2022-0212で自然災害によるトラブル事例について説明して頂きましたが、引き続き動植物の接触によるトラブル事例についてご紹介して下さい。
質疑応答2022-0211 で述べたように、高圧機器の事故は、➀ 機器劣化、施工および点検不良、② 風雪・雨水侵入・雷害などの自然災害、③ 動植物の接触などによって生じることが多い。ここでは、③ の「動植物の接触」によるトラブル事例について紹介します。
1. 屋内高圧負荷開閉器 (LBS) にネズミが接触
LBS のトラブルの原因は、充電部が露出している構造上の問題から、鳥獣類の「他物接触」、雨水侵入や雷害の「自然現象」、自然劣化の「保守不良」と続く。下図は、ネズミが接触し損傷した電力用ヒューズ(PF) と屋内高圧負荷開閉器 (LBS) の例である。対策として、鳥獣接触を防止するためのセパレータ板を取り付けることにより、事故は減少・軽減する。(図1参照)
2. キュービクル内へのつる草侵入
月例点検時、キュービクル内部につる草が侵入しているのを発見した。つる草の生育が著しい時期は、特に注意して除草等を実施することが必要である。必要に応じて除草剤等も使用すると良い。(図2参照)
3. 柱上開閉器にカラスの巣
月例点検時、構内1号柱の目視点検を行ったところカラスの巣を発見し、撤去した。(図3参照)
4. 引き込み用高圧ケーブル終端部への樹木接触
下図は、引き込み用高圧ケーブル終端部の端子カバーと端子部分との間に樹木が接触し、地絡事故が発生し停電に至った例である。電気工作物に樹木が接触することの無いよう早めに伐採するなどの対策が必要である。(図4参照)
(出展 : 関東電気保安協会)