「Q&A 2023-0217 (現場とトラブル) 非常用発電機から商用電源へダブルスロー(双方向)切替を行った場合のトラブル」 の事例についての理解を深めるために、ダブルスローSWの機能および用途などについて説明して下さい。
ダブルスロー(双方向)切替SWは、複数系統から電源が供給される場合に、供給元の電源を切替えるための切替装置のひとつとして用いられます。 一般的に、電力会社から供給を受ける「商用電源」、非常用発電機から供給される「非常用電源」の切替えを行うのに用いられます。 配線用遮断器を並列に設置して同様の系統を構築することができますが、ダブルスローSWを用いることで、両系統が同時に閉路することを防止できます。 電力会社への電源系統に、非常用発電機から電源供給が行われると事故の原因となるため、ダブルスローSWを用いることで安全性を高めることができます。
ダブルスローSWは負荷電流が流れた状態での切替えが可能ですが、無瞬断による切替えはできません。 切替えの瞬間に停電状態となるため、PCや制御装置などはUPSといった無停電電源装置で保護することが必要です。
ご質問に記載して頂いていますように、ダブルスローSWを用いて非常用発電機から商用電源への切替えを行った需要家から、Q&A 2023-0217 にように、非常用発電機から商用電源へダブルスロー(双方向)切替を行った場合のトラブルの事例が報告されています。 ダブルスローSWを用いる場合は、これらの点についても良く検討して採用されることをお勧めします。 この事例で、ダブルスローSWによる非常用発電機から商用電源への切替え時の波形分析、原因究明の状況などについての報告が受領できましたら、新たな Q&A 項目としてご紹介したいと思います。
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之