「変圧器励磁突入電流抑制装置 Inrush-Limiter」の導入について検討するにあたり、適用可能な受変電設備、入出力インターフェイス、システム構成、概略の設備の大きさなどについて説明して下さい。
受電用変圧器の課電時に発生する励磁突入電流現象による様々な障害を解消するための設備として、質疑応答 2023-0263 変圧器の励磁突入電流による障害を抑制するための装置 でいくつかの代表的な設備を紹介していますのでご参照下さい。 この質疑応答 2023-0263 の 図1~図3 に示す方法は、変圧器容量や遮断器などの Hardware と直接関連するため、設備面で大掛かりな工事となり、保守性も悪く、費用が変圧器容量・電圧階級に比例して高くなります。 この点、質疑応答 2023-0263 の 図4 で説明した投入位相角制御方式、すなわち、変圧器励磁突入電流抑制装置 Inrush-Limiter(以後、本装置という)は、主として Software での対応となるので、変圧器容量や電圧階級に制限されることなく、様々な遮断器に適用可能(一部の仕様を除く)であり、メンテナンスもフリーです。
1.適用可能な受変電設備
本装置は、66~500kV 級の送配電系設備から 6.6kV 配電設備まで、電圧階級や変圧器容量に制限されることがありませんので、図1 のように、電気事業者および需要家(公共施設、工場、大型ビル、一般需要家など)のあらゆる受変電設備にて、変圧器課電時の励磁突入電流抑制に適用することが出来ます。
2.入出力インターフェイスの概要
外部設備との入出力インターフェイスとして、図2 に示すように、下記のような入出力信号を扱います。 変圧器容量および結線方式等による適用上の制約はありません。
(1) 入力信号 (CT入力は不要です):
① 系統電圧 VT1 の二次側3相電圧
② 変圧器電圧 VT2 または VT3 の二次側3相電圧
③ 遮断器「投入信号」および「遮断信号」
(2) 出力信号 : 遮断器「投入指令」
3.システム構成と入出力信号の接続
本装置のシステム構成を 図3 に、本設備と外部設備との入出力信号との接続の概要を 図4 に示します。 本装置は変電所制御盤で行われる変圧器バンク用遮断器の手動投入指令信号を受けて、その投入位相タイミングを制御します。
4.装置の概略の大きさ
本装置は 図5 に示す演算ユニットと出力ユニットで構成されています。 基本的には、これらのユニットを組み込むスペースが盤内にあれば、入出力インターフェイス信号を接続することにより運用することが出来ます。 弊社では、図6 のように変圧器のバンク数に応じた標準自立盤も用意しています。
本設備の一般仕様、入出力信号の仕様等については、URL https://inrush-limiter.jp/ja/product-info/ および https://inrush-limiter.jp/ja/technical-info/ をご覧になって下さい。
(株式会社興電舎の方からの回答です)