避雷器は、関連規格において、公称電圧3.3 kV以上の高圧配電用のものをいい、SPD(Surge Protective Device : サージ防護デバイス)は、従来の低圧電源、通信・信号用の避雷器、アレスタ、保安器などと呼ばれていたものが JIS C 5381-1:2004 制定に伴い SPD と呼称されるようになりました。 ご質問内容から、ここでは、高圧受変電設備に使用する避雷器について説明します。
Q1.設置位置の選定
避雷器の設置位置についてですが、「高圧受変電設備(キュービクル)のどの位置に設置するのか?」という質問と解釈して回答します。 一般的には、JIS C 4620「キュービクル式高圧受電設備」の図1 – 回路構成ように、メインのDS(断路器)やLBS(開閉器)の二次側の直下、各受変電機器の頭の部分に設置します。 JIS C 4620 の図をご覧になって下さい。
Q2.避雷器の型式および定格の選定
避雷器は設置環境により、屋内用、屋外用に区分されており、屋外用はさらに一般用、耐塩用、重耐塩用に分けられます。 高圧受変電設備(キュービクル)の場合は、屋内用を選定するのが最も経済的と言えます。 6.6kV系統の場合、避雷器の定格は8.4kVになります。 公称放電電流は、2.5kA、5kA、10kA があり、一般的には2.5kAが選定され、激雷地域や重要設備では信頼性をあげるべく 5kAが選定されるます。 また発変電所内では10kAの選定が一般的です。
(電機メーカーの方からの回答です)
事務局より :
「Q&Aゾーン」 から 避雷器 で検索すると、下記のような質疑応答を見ることが出来ます。 ご質問の件につきましても、Q1については 質疑応答 2021-0160、2022-0181 & 0182、Q2については 質疑応答 2021-0154 & 0155、2022-0181 などを併せてご参照下さい。
- 2021-0150 (雷保護) 避雷器とSPDの違い
- 2021-0151 (雷保護) 避雷器の特長
- 2021-0154 (雷保護) SPD・避雷器の選定方法
- 2021-0155 (雷保護) 避雷器の設置方法と適用事例
- 2021-0160 (雷保護) 知っておきたい関連規格
- 2022-0181 VVVF(入力変圧器あり)へ給電するフィーダのサージアブソーバの選定
- 2022-0182 66kVから高圧へ降圧する高圧盤の放圧装置(避雷器)の選定
(電気エンジニアのためのQ&Aコミュニティ事務局 亀田和之)