質疑応答 2023-0250〔大規模な接地の接地抵抗測定方法〕を拝見させていただきました。 変電所のメッシュ接地を電圧降下法により測定したいと考えております。 専用のユニットとなっている測定器は所持しておりません。 Q1. 回路図にならって、測定器を単体ごとに準備し、回路を構成して測定できないものかと検討しています。〔電流計、デジタルマルチメータ 2台、スライダック 4kVA程度、電流・電圧極用コード、電流極用接地棒20本程度、発電機〕、この程度の測定器により実施可能なものでしょうか。
また、Q2. 回路図上の絶縁トランスは、電源として発電機を使用する場合でも必要不可欠なものなのでしょうか。 知見のある方にご教示いただけると幸いです。
ご質問の Q1 と Q2 について、各々、A1 および A2 として回答します。
A1. スライダックの容量が4kVAということですが、仕様が分からないので、出力電圧が最大100V、最大電流値40Aとします。(発電機は十分な容量を持つものとします)
測定対象が分からないので、今回は 発変電規程(日本電気技術規格委員会)を参照します。 この規程では、測定電流20A以上を推奨していますので、測定電流は20Aとします。 すると回路抵抗は少なくとも5Ω以下(=100V/20A)が必要となります。
回路抵抗としては、〔測定対象となる接地抵抗値、電流回路の補助極の接地抵抗値、測定線の線抵抗値とその他の接触点などの抵抗〕 などが加わってきます。 これが5Ω以下であれば、測定電流値20Aが確保できる形となります。 例えば、〔測定対象となる接地抵抗値1Ω、電流回路の補助極の接地抵抗値3Ω、測定線の線抵抗値とその他の接触点などの抵抗値1Ω〕であれば、何とかギリギリ測定できるということになります。
A2. 発電機に接地(B種接地)を設けるかどうかです。 発電機にB種接地相当の接地を設けた場合、その接地を介して測定電流が流れてしまい、正しい測定ができない可能性も考えられますので検討が必要です。
また、規程や指針等(日本電気技術規格委員会「発変電規程」や 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「電気設備工事監理指針」) に示されている回路図ではトランスを挟んだ回路が示されていますので、それらの回路構成と異なる点について、電気主任技術者の方を始めとする関係者の方のご理解が必要となります。
(日本地工株式会社の方からの回答です)
事務局より:
このような「変電所大規模メッシュ接地の接地抵抗測定」となると、「こういう状態で、このような測定をすると、このくらいの値になるだろう」 というような勘どころ、および経験がないと測定結果を正しく評価するのが難しいと思われます。 場合によっては〔専門業者にご相談〕されることをお勧めします。