これまでに、「系統解析業務に係って40年、いま振り返ると …」として、(第1章)~(第6章)に亘り系統解析技術について説明して頂きましたが、引き続き、「トラブルから学んだ解析技術」として、トラブルに対応するための解析業務の進め方について説明して下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
40年も系統解析業務を行ってくると、様々なトラブル事例がありますが、電機メーカー側からあえてトラブルのための解析技術を公開することは出来ません。 これでは何も書けませんので、章の内容と異なりますがトラブルに対応するための解析業務の思いについて書きたいと思います。 多少偏見になるかもしれませんが、ご了承願います。
トラブルにおける解析業務で気づく事は、主に(自然現象、ヒューマンエラー、劣化、etc.)の要因によるものが多い。 電力系統、電気設備側でトラブルが生じた場合、経験上、系統構成、電気機器、制御ブロック図、実測データ(カルパンチの波形、数値データ、etc.)の情報がある程度(場合によりけり)そろえば、解析ソフト用いてモデル構築(かなり仮定となるが)を行って、シミュレーションは可能になると思います。
ただし、トラブルに対応できる解析ソフトを見極めて速やかにモデル構築するためには、第6章で述べた事を踏まえること、更に、社内外(顧客の技術者、大学の先生、電気学会、etc.)に人脈を持つことです。 また、日頃から解析業務に関連する部署との繋がりが一番大事、トラブルの解析業務は必ず行き詰るからです。
当然の話ですが、仮定したデータでシミュレーションを行ったら、必ず正式なデータを入手して再度シミュレーションを行って比較することが大切です。
(壹岐 浩幸 記)