非常用ディーゼル発電機のテストで、定格出力(kW)の約40%のヒーターを一度に投入(接続)したらエンジンが停止しました。 50%程度の負荷は一度に投入しても問題ないと思っていたのに、予想外の結果でした。 ディーゼル発電機に一度に投入することができる最大負荷(kW)について説明して下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
以前は(1980年代ごろまで?)、一般に非常用発電機はターボチャージャー等の過給機が付いていないディーゼルエンジンで駆動されており、定格出力の100%の負荷を一度に加えることも可能だと言われていました。
しかし、近年は非常用発電機にも過給機付きで BMEP(Brake Mean Effective Pressure :ブレーキ正味有効平均圧)の高いエンジンが使用されることが多くなり、負荷急増に追随する能力が低下しています。 一般に、コンパクトな割りに高出力なものはこの傾向が高いと言って良いでしょう。
定格出力 (kW)の1/4を超える負荷を一度に投入する必要がある場合には、要求条件(各種の仕様等)に負荷投入のシナリオを含めてディーゼル発電機のメーカーと協議し、使用するディーゼル発電機が満足できる性能を持っていることを確認することが必要です。
参考:
- 現在でも100%負荷投入を許容する非常用ディーゼル発電機は供給されています。
- ガスエンジンの使用を求められるケースも多くなってきました。 ガスエンジンの負荷急変に対する追随能力は、ディーゼルエンジンよりも緩やかなので、負荷急増にはさらに注意が必要です。
- エンジンが許容できる負荷急増量(定格出力〔kW〕に対する比率)はBMEPが高くなるほど低下します。 この関係は、ISO 8528-5〔1〕に示されているので参考にして下さい。 ここでの許容負荷急増量とBMEPとの関係は、ディーゼル発電機の性能クラスが ”G1”、”G2”、“G3” のいずれであってもその特性を維持できるという条件でまとめられたものです。
- この性能クラスもISO 8528-5〔1〕に定義されています。 出力周波数・電圧の定常時と過渡応答時の特性を ”G1”、”G2”、“G3” に分類したものです。 他に周波数・電圧(又は電圧波形)特性をメーカーとユーザーの協議で決める ”G4” があります。
〔1〕:ISO 8528-5 〔Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating sets – Part 5: Generating sets〕
(エンジニアリング会社関連の方からの回答です)
Kameda Kazuyuki Edited answer