Q&A 200 Book の第11章 〔電気防食〕 で 質疑応答 2020-0057〔なぜ鉄は“サビ”るのか?〕に始まり、一般的な電気防食法が掲載されていますが、コンクリート内鉄筋の防食について、最新の電気防食技術を紹介して下さい。
Kameda Kazuyuki Answered question
鉄筋が腐食するとコンクリート構造物の強度や寿命に致命的な影響を与えます。 電気防食は、設置した陽極からコンクリートを介して鉄筋(鋼材)に防食電流を流すことで、健全部と腐食部の電位差をなくし腐食電流を消滅させコンクリート構造物の強度と寿命を保持しようとする技術です。 詳細な技術情報や具体的な適用事例については、〔関連するURL〕 に記載のSiteをご参照下さい。
A. 防食電流の供給方法による分類
- 外部電源方式: 直流電源装置を用いて防食電流を供給する方式です。 防食電流の調節が可能です。外部からの電源供給が必要ですが、長期間にわたる防食が可能です。
- 流電(犠牲)陽極方式: 鉄筋と(陽極に使用する)金属のイオン化傾向を利用して防食電流を供給する方式です。 防食電流の調節はできません。 直流電源が必要ないので、外部から電源供給を受けられないところでも使用可能です。
B. 陽極材の形状・布設方法による分類
- 面状陽極方式: 防食対象面に陽極を面状に設置する方式で、防食電流の均一性に優れています。 広範囲にわたる防食が可能で、特に大規模な構造物に適しています。 外部電源方式、流電陽極方式のそれぞれに、陽極材の種類や施工方法が異なるいくつかの方式があります。
- 線状陽極方式: 防食対象面に一定間隔で線状の陽極材を設置する方式です。 配筋量に応じた陽極設置が可能であるため、効率的な防食電流の供給が可能です。 陽極材の種類や施工方法が異なるいくつかの方式がありますが、一般に外部電源方式によります。
- 点状陽極方式: 棒状あるいは塊状の陽極をコンクリート内に挿入/設置する方式です。 局所的な防食が必要な場合に適しています。 一般に外部電源方式によります。
関連するURL:
- 電気防食工法をわかりやすい解説で! 外部電源方式や電気防食などの施工 : 土木LIBRARY https://chansato.com/doboku/cathodic-protection-method/
- 線状陽極方式 電気防食(PI-Slit工法) : ピーエス・コンストラクション(株) https://www.psc.co.jp/technology/civil_eng/maintenance/electric-protection.html
- コンクリートの電気防食 : 東亜建設工業 https://www.toa-const.co.jp/tech/electrocorrosion_protection_for_concrete/
- 電気防食の世界標準 エルガードシステム : 日本エルガード協会 https://www.elgard.com/c-method_h/
(エンジニアリング会社関連の方からの回答です)
Kameda Kazuyuki Edited answer