インバータ機器と他の電子機器の接地は個別にするような接地系統にしたいとしたとき、それらの接地極間の抵抗というのは何Ω以上あれば、ちゃんと個別化できているとみなせるのでしょうか?
現場のノイズ問題で影響を受けていた電子機器の接地線を外して接地していない状態にするとノイズ問題が無くなった経験もありますが、この時は一体何が起こっていたのでしょうか?
様々なケースがありますので、閾値(何Ω以上あれば)をどのように決めて判定とするか決められません。 また、どのようなケースをもって個別化できたかという判定基準も曖昧です。
例えば、ZとXという2つの接地極があったとします。 接地極Zの接地抵抗をR1〔Ω〕、接地極Xの接地抵抗をR2〔Ω〕、接地極間の抵抗値をR〔Ω〕とします。 R1+R2≒R〔Ω〕であれば、互いの接地極が単独で施されている(図1a 参照)と考えられます。 一方、R1+R2≒0Ωであれば接地極Zと接地極Xは共用接地(図1b 参照)となっている可能性が高いと考えられます。
しかし、以下のようなケースでは、判断が難しくなります。 R1とR2の接地抵抗値が非常に低かった場合(両者の接地抵抗値が0Ωに限りなく近い)、R1+R2≒0Ωとなり、判断に困る場合もあります。 また、接地極が単独で施設されていたとしても接地極同士の離隔が不十分であれば、電位干渉が発生し R1+R2>R(Rは0Ωに近づく)となることもあり判断に困る場合もあります。 このようなケースでは専門家に判断を仰ぐことが望ましいと考えます。
次に、ノイズ問題についてです。 接地線を外すことによって問題が無くなったとすれば、接地線を介してノイズの回路(グランドループ)が構成されていたと考えられます(図1参照)。 よって、接地線を外すことで、ノイズの回路が遮断されたためノイズの影響が無くなったと考えられます。
(日本地工株式会社の方からの回答です)