短絡電流値を抑制する方法として、次のような方法が考えられます。設備自体(ハードウェア)の見直し、系統運用(オペレーション)の見直しなど、ソフトウェアを用いて計算する場合の系統モデリングの見直しが考えらます。
これらの方法のいずれか、あるいはこれらの方法の組合せより、安全性、信頼性、費用、実現の可能性などを総合的に考慮して、最善策を見つけることが必要です。
1. 系統のインピーダンスを大きくする => 電圧降下、電動機始動は大丈夫か?
具体的な方法としては、① 変圧器の%Zを大きくする ② リアクトル等を設置する ③ ケーブルデータなどを入力して計算する(ケーブルが長い場合、低圧系統などでは有効)等の方法が考えられます。
2. 遮断器の遮断能力をアップする => コストアップになる、スペースは大丈夫か?
3. 遮断器を通過する電流(Though Fault Current)で、装置の遮断能力を評価する => 図1参照
4. 系統運用を短絡電流値が抑制できる運用に制限する => 設備の信頼性、工場の運転から見た可能性?
5. 遮断器動作前に溶断する即断ヒューズを追加する => 母線連結、系統切離しなどの点から可能か?=> 図2参照
6. X/R値を見直す(小さくする)=> ip、Ib asym、Idcの計算値が小さくなる => 図3参照
7. 例えば etap に系統を入力する時に、負荷を大きな塊りにしない => 負荷の容量が大きいとIbの減衰が遅くなる => 図4参照
8. 保護継電器の動作時間等も考慮して、遮断器等の遮断時間を長くする => etap の場合、Minimum Time Delay の値を大きくする。
9. 電圧係数の適用をやめる?=> IECによる計算結果と言えなくなる。
10. 系統を分割する。=> 例えば、大容量の変圧器を使用しないなど(特に低圧系統)
図1(上記の第3項)etapの場合、「赤枠」の値がバス総電流、「青枠」の値が貫通電流である。
図2(上記の第5項)
図3(上記の第6項)
図4(上記の第7項)
この回答でご不明の点がありましたら、追加質問等をお待ちしています。