IEC規格による短絡電流計算手法については、 『質問番号2002-0002:IEC規格による短絡電流計算手法』をご参照下さい。
1. 短絡電流計算結果の評価に関する規定
(1) 中圧および高圧遮断器の場合、短絡電流計算結果に基づき下記のように遮断器の能力について評価します。
保護装置の能力 > 短絡電流計算値
投入電流 > ip
遮断電流(対象値) > Ib sym
遮断電流(非対象値)* > Ib asym
直流分* > Idc
熱等価短絡電流値 > Ith
(2) etap のユーザーガイドには、下記のように記載されています。
。
2.保護装置の能力(遮断電流非対称値Ib asym、直流分Idc)を計算する
(1) 上記第1項に記載した保護装置の能力に*印を付した遮断電流(非対称値)Ib asym、直流分Idcのデータは、メーカーから受領することがかなり困難なデータです。
(2) IEC規格では、これらの値を求める計算式を規定しています。etap のユーザーガイドには、下記のように記載されています。
3.保護装置の能力の評価例
(1) 下表は短絡電流計算結果に基づき、保護装置(遮断器やヒューズ等)の遮断責務を評価した例です。
- 「ピンク色」でハイライトしたセルのデータは、IECに規定されている上記第2項の計算式により求めたデータです。
- 「黄色」でハイライトしたセルのデータは、短絡電流値が保護装置の能力を超えているデータです。この例では、ほとんどの計算結果が保護装置の能力を超えています。
(2) 「黄色」でハイライトしたセルのデータは、 『保護装置の能力>短絡電流計算値』となるように、対応策の検討が必要です。
なお、 『短絡電流計算結果が保護装置の遮断能力に対して大きい場合の対応策』については、別の質問番号でのご質問に対してお答えします。併せてご参照下さい。
この回答でご不明の点がありましたら、追加質問等をお待ちしています。