先の質問番号:2020-0015で説明したように、アークフラッシュの検討は、米国において、OSHA(米国労働安全衛生局)やNEC(全米電気設備基準)等の基準により、アークフラッシュ事故による労働災害からから労働者を保護するために定められています。このような経緯より、アークフラッシュの検討に関する規格および計算手法は、①NFPA 70E(Standard for Electrical Safety in the Workplace)②IEEE 1584(IEEE Guide Forアークフラッシュハザード計算の実行)③CSA Z462(Workplace Electrical Safety)などに規定されています。「アークフラッシュの計算手法はIEEE 1584」、「危険度の分類および個人用保護具(PPE)の適用などについてはNFPA 70E」によるというのが、一般的なようです。注意:NFPA 70EおよびIEEE 1584は、これまで数年おきに改定されています。いつも最新の規格をご参照下さい。etapはいつも最新の規格に対応していますので、etapのユーザーガイドを参照するのも有効です。これらの点を踏まえ、ここでは、(株)エルテクス設計殿からご提供頂いた、第25回ETAPユーザー会で用いた説明資料 『アークフラッシュ検討の手順を中心に見直し(2020年5月)』を基に説明します。添付ファイルファイル番号 AF-I EEE1584-UG25.pdf をご参照下さい。 「アークフラッシュの検討に関する関連規格および規定」については、添付ファイルの(ページ2/10)をご参照下さい。「アークフラッシュの検討の手順」については、添付ファイルの(ページ3/10)〜(ページ10/10)をご参照下さい。検討項目および検討の手順は、下記のステップに従って進めると理解しやすいと思います。
- ステップ①アーク電流を求める(4/10ページ参照)
- ステップ②事故除去時間を求める(5/10ページ参照)
- ステップ③事故エネルギーを求める(6/10ページ参照)
- ステップ④保護境界を求める(8/8ページ参照)
- ステップ⑤危険度の分類と個人用防護具(PPE)(9/10ページを参照)
- ステップ➅Arc Flashラベルを作成する(10/10ページ参照)
アークフラッシュの検討を行うための便利なツールについては、私としては 『電力系統解析ソフトウェアetap Power Simulator』を奨めします。etapは、下記の規格に基づいて、上記のステップ①〜➅の検討を行います。
- 国家消防庁(NFPA)70E-2018
- IEEE標準1584〜2002、IEEE 1584a〜2004、IEEE 1584b〜2011、IEEE標準1584〜2018
- CSA Z462-2015、CSA Z462-2018
この回答でご不明の点がありましたら、追加質問等をお待ちしています。